「糖質ゼロ」と「糖類ゼロ」は、何が違うのか ― 表示の読み方を、協会が解説します

「糖質ゼロ」と「糖類ゼロ」は、何が違うのか ― 表示の読み方を、協会が解説します

「糖質ゼロ」と「糖類ゼロ」は、
何が違うのか
― 表示の読み方を、協会が解説します

ノンアルコールビールの棚に並ぶ缶を見ていると、「糖質ゼロ」と書かれたものと、「糖類ゼロ」と書かれたものがあります。一文字違うだけですが、この二つは数えているものが違います。そして、どちらの「ゼロ」も、実は「まったく入っていない」という意味ではありません。

日本ノンアルコールビール協会(JNABA)にも、「どちらを選べばいいのか」というご質問をいただきます。今回は健康の話ではなく、表示そのものの読み方を整理します。

【結論】
「糖質ゼロ」も「糖類ゼロ」も、表示できる基準は同じです。飲料の場合、100mlあたり0.5g未満であれば「ゼロ」と表示できます(食品表示基準 別表第九)。
違うのは何を数えているか。糖類は糖質の一部なので、「糖類ゼロ」でも糖質は含まれていることがあります。
そして、基準が定められていないのは「糖質オフ」「糖質控えめ」のほうです。
※ 本記事は表示の制度についての解説です。健康への影響については、別のコラムをご覧ください。

糖質と糖類は、入れ子になっている

まず、言葉の関係を整理します。栄養成分表示でいう炭水化物は、大きく糖質と食物繊維に分かれます。そして糖類は、その糖質の一部です。

食品表示基準では、糖類を「単糖類又は二糖類であって、糖アルコールでないものに限る」と定義しています。ぶどう糖や果糖(単糖類)、砂糖や麦芽糖(二糖類)がこれにあたります。一方、糖質にはそれらに加えて、でんぷんなどの多糖類や、キシリトールなどの糖アルコールも含まれます。

つまり「糖類ゼロ」は、糖質全体がゼロという意味ではありません。砂糖やぶどう糖は入っていなくても、それ以外の糖質が含まれていることがあります。

どちらも「0.5g未満」で、ゼロと表示できる

ここが誤解されやすいところです。「糖質ゼロには基準がない」という説明を見かけることがありますが、糖質にも糖類にも、同じ基準があります。

食品表示基準の別表第九には、栄養成分ごとに「0と表示することができる量」が定められています。糖質・糖類はいずれも、食品100gあたり(飲料は100mlあたり)0.5g未満であれば「0」と表示できます。ノンアルコールビールは飲料ですので、100mlあたりで判定されます。

大切なのは、「ゼロ」は完全な0ではないということです。消費者庁は、この0.5gという線引きについて「栄養的に意味のない量であること」「分析方法の定量下限であること」「国際的な規格を勘案したこと」を総合的に判断したものだと説明しています。根拠のある数字であって、いいかげんな線引きではありません。

350ml缶に置き換えてみると

基準が100mlあたりですので、350ml缶に換算すると、最大で1.7g強までは「ゼロ」と表示できる計算になります。角砂糖でいえば半分ほどの量です。

これを「思ったより入っている」と感じるか、「その程度なら」と感じるかは、飲む方それぞれだと思います。協会としてお伝えしたいのは、数字の大小ではなく、そういう仕組みになっているという事実のほうです。表示の意味を知ったうえで選んでいただくことが、いちばん大切だと考えています。

基準が無いのは「糖質オフ」のほう

「ゼロ」とよく似た言葉に、「オフ」「控えめ」「ライト」があります。こちらは事情が違います。

糖類については、「低い旨」「低減された旨」の基準が食品表示基準に定められています。ところが糖質については、この基準がありません。そのため「糖質オフ」「糖質50%オフ」といった表示は、事業者の判断で行われています。

「オフ」と書かれていたら、何と比べて、どれだけ少ないのかを確かめるのが確実です。多くの製品では、比較の対象と減った量が近くに書かれています。

結局、どこを見ればいいのか

いちばん確実なのは、缶の裏の栄養成分表示にある、gの数字そのものです。

「糖質 0g」と書かれていれば、100mlあたり0.5g未満。そこに書かれた数値は、表示の言葉よりも正確に中身を教えてくれます。気になっているのが甘味料の量なら糖類を、糖質全体なら糖質の欄を見る。それだけで、選び方はずいぶん確かになります。

ノンアルコールビールは、この10年ほどで選択肢がとても増えました。麦芽とホップだけで作られたもの、甘みを抑えたもの、しっかり甘いもの。どれが正しいということはありません。表示の読み方を知っておくと、その日の気分や体調に合わせて、自分で選べるようになります。

【参考文献・出典】
  • 食品表示基準(平成27年内閣府令第10号)別表第九 ― 「第五欄に掲げる量に満たない場合は〇と表示することができる」。飲料は100ml当たりで判定。糖質・糖類ともに0.5g(e-Gov法令検索で条文を確認)
  • 食品表示基準(同上)― 糖類の定義「単糖類又は二糖類であって、糖アルコールでないものに限る」
  • 消費者庁「食品表示基準について」― 「0」と表示できる基準は、①栄養的に意味のない量 ②分析方法の定量下限 ③コーデックス規格の勘案、を総合的に判断したもの
  • 東京都保健医療局「食品衛生の窓」栄養成分表示(栄養強調表示)/栄養成分表示 参考資料「強調表示等基準値一覧」
  • 消費者庁「食品の栄養成分表示制度の概要」― 栄養強調表示の対象成分
CERTIFICATION

もっと知りたい方へ

認定証の見本

ノンアルコールビールの歴史・製法・楽しみ方を、無料の検定(全10問・約5分)で確かめられます。合格すると、名前入りの認定証をお受け取りいただけます。

無料で検定を受ける →先に学びたい方は 公式テキスト(全文無料)
協会の発信:InstagramX