売り場に並ぶノンアルコールビールを手に取って、缶の裏をひっくり返してみたことはありますか。
「麦芽、ホップ」とだけ書かれたものもあれば、いくつもの原材料が並んでいるものもあります。
この違いは、どちらが良い・悪いということではなく、味の組み立て方の違いです。読み方が分かると、自分の好みに合う一本を選びやすくなります。
・原材料は「使っている量が多い順」に並んでいる
・味の設計には大きく2つの考え方があり、どちらも作り手の工夫
・アルコール分の表示は「0.00%」かどうかを確かめるのが確実
まず、並び順に意味があります
食品表示では、原材料は使用量の多い順に書くことが決められています。ですから、いちばん最初に書かれているものが、その一杯の土台です。
「麦芽」から始まっていれば麦芽を主体に、「糖類」から始まっていれば糖類を主体に組み立てられている、とおおよそ見当がつきます。
よく見かける原材料と、その役割
難しく見える名前も、役割が分かると読みやすくなります。
ホップ……苦味と香りのもと。品種によって、柑橘っぽい香りや草木のような香りなど幅があります。
酵母……発酵に関わります。発酵を経る造り方で登場します。
糖類・食物繊維……甘みや飲みごたえ、とろみの調整に使われます。
香料……香りを設計するために使われます。
酸味料・甘味料……味の輪郭やバランスを整えるために使われます。
カラメル色素……色合いを調整するために使われます。
味の組み立て方には、2つの考え方があります
原材料表示を見ていくと、大きく2つの方向性があることに気づきます。
ひとつは、原材料由来の風味を軸にする設計。麦芽やホップの持ち味をそのまま生かす方向で、原材料の欄は短くなりがちです。
もうひとつは、香料や酸味料などを用いて味を設計する方法。狙った香りや飲み口を精密に組み立てられるのが強みで、糖質やカロリーを抑えるといった設計もしやすくなります。
短い原材料表示は「素朴で自然」に見え、長い表示は「複雑」に見えるかもしれません。
けれども、狙った味を精密に組み立てるのも、素材の持ち味を生かすのも、どちらも作り手の技術と工夫です。
協会は、どちらかを上に置くことはしません。大切なのは、ご自身が何を楽しみたいかです。
アルコール分の表示も、あわせて確かめる
原材料と並んで確かめたいのが、アルコール分の表示です。
「0.00%」と書かれていれば、業界の自主基準にもとづく表示です。運転の予定がある日、妊娠中・授乳中の方など、アルコールを避けたい場面では、この表示を確かめるのが確実です。
一方、「0.0%」は表示のルールが統一されておらず、ごく微量のアルコールを含む場合があります。また「微アルコール」と書かれたものは、0.5%前後のアルコールを含む別のカテゴリーです。
・アルコールを避けたい場面 → 「0.00%」表示かどうか
・すっきり飲みたい → 表示の先頭に何が来ているか
・素材の風味を楽しみたい → 原材料の欄が短めのもの
・糖質やカロリーが気になる → 栄養成分表示もあわせて
ラベルが読めると、選ぶのが楽しくなる
原材料表示は、その一杯がどんな考えで造られたかを教えてくれる手がかりです。作り手が何を大切にしたのかが、短い文字列から見えてきます。
次に売り場に立ったときは、ぜひ缶の裏を見てみてください。いつもの一杯が、少し違って見えるかもしれません。飲まない時間を、もっと自由に、もっと楽しく。
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