近年、日本のノンアルコールビールは大きな進化を遂げています。糖質ゼロ・プリン体オフといった健康志向に寄り添う機能性や、キレのある爽快な味わいを再現する技術は、世界的に見ても非常に高いレベルにあります。
一方で、ビール大国ドイツには、日本とは異なるアプローチで作られた“もう一つのノンアル文化”が存在します。今回、日本ノンアルコールビール協会(JNABA)がご紹介するのは、ドイツ生まれの「ヴェリタスブロイ(VERITASBRÄU)」です。
本物のビールから「アルコールだけ」を抜く製法
日本のノンアルコールビールでは、発酵制御や香味設計など多様な技術を組み合わせ、「飲みやすさ」や「爽快感」を追求した製品が数多く開発されています。
一方、ヴェリタスブロイは、まず通常のビールと同じ工程でビールを醸造し、その後にアルコール分だけを取り除く「脱アルコール製法」を採用しています。
原材料は非常にシンプルで、モルト(麦芽)・ホップ・水・酵母のみ。ドイツの伝統的なビール文化を背景にした、素材重視のスタイルが特徴です。
ドイツには1516年に制定された「ビール純粋令(Reinheitsgebot)」という歴史的な基準があります。
現代では法的位置づけは変化しているものの、「麦芽・ホップ・水」を中心としたシンプルな原材料でビールを造る文化は、現在もドイツビールの大きな特徴となっています。
JNABAテイスティングレビュー:素朴で自然な麦の存在感
ヴェリタスブロイをグラスに注いでまず感じるのは、麦芽由来の自然で穏やかな香りです。
口に含むと、モルト由来のやさしい甘みと香ばしさが広がり、後半にはホップ由来の青々しい苦味が全体を引き締めます。日本のノンアルコールビールが「キレ」や「爽快感」を強みにしているとすれば、ヴェリタスブロイは「素材感」や「麦芽の厚み」を楽しむタイプと言えるでしょう。
また、原材料がシンプルなこともあり、麦芽やホップ本来の風味を比較的ダイレクトに感じやすいのも特徴です。グラスでゆっくり飲むことで、香りの変化も楽しめます。
【JNABAメンバーが注目したポイント】
・自然な麦芽感:麦芽由来の穏やかな甘みと香ばしさが感じられる。
・きめ細かな泡:麦芽由来成分による自然な泡立ちがあり、グラスで飲むとよりビールらしい雰囲気を楽しめる。
・0.00%という安心感:アルコール0.00%のため、「今日は飲酒を控えたい」という日にも選択肢になりやすい。
まとめ:素材感を楽しむ「ドイツ流ノンアル」という選択肢
日本のノンアルコールビールは、機能性や爽快感を高める方向で独自進化を遂げています。一方で、ヴェリタスブロイのような海外の脱アルコールビールは、「本来のビールにどれだけ近づけるか」という方向性で進化してきました。
どちらが優れているという話ではなく、それぞれに異なる魅力があります。
たとえば、食事と一緒にスッキリ楽しみたい日は日本タイプ。麦芽の香ばしさをゆっくり味わいたい日はドイツタイプ。そんなふうに飲み分けてみると、ノンアルコールの世界はさらに奥深く感じられるはずです。
ヴェリタスブロイは、和食のような素材感を大切にした料理とも相性が良く、休日のリラックスタイムや、運動後のリフレッシュシーンにも合わせやすい一本です。
「今日は酔いたくない。でも、ちゃんとビールらしさは楽しみたい」。そんな時の新しい選択肢として、このドイツ生まれの一杯を試してみてはいかがでしょうか。
ノンアルコールの奥深い世界を探求しませんか?
日本ノンアルコールビール協会(JNABA)では、最新トレンドから製法・歴史・ペアリングまで学べる「認定試験(無料)」を実施しています。
新しい乾杯文化を、ぜひ一緒に楽しみましょう。
・German Beer Institute「Reinheitsgebot(ドイツビール純粋令)」
・ヴェリタスブロイ公式商品情報
・Krogerus, K. et al. “Non-alcoholic beer production.” Fermentation, 2019.
・Sohrabvandi, S. et al. “Alcohol-free beer: methods of production.” Food Reviews International, 2010.
・日本ビール文化研究会 各種資料
・各メーカー公開情報(製法・原材料表示)

