休肝日とは?何日あければいい?効果と続け方を公的な資料から整理

休肝日とは?何日あければいい?効果と続け方を公的な資料から整理

休肝日とは?
何日あければいい?
効果と続け方を公的な資料から整理

「休肝日は週に何日あればいいのだろう」「2日続けて休んだほうがいいと聞いたけれど、本当?」——お酒を楽しむ方なら、一度は気になったことがあるのではないでしょうか。

この記事では、日本ノンアルコールビール協会(JNABA)が、厚生労働省の資料と研究をもとに、休肝日について分かっていること・まだ分かっていないことを分けて整理します。

【この記事の結論】
・休肝日とは:肝臓を休めるために、週に1日以上お酒を飲まない日をつくること。
・何日あければいい?:厚生労働省のガイドラインは、日数を決めていません。書かれているのは「一週間のうち、飲酒をしない日を設ける」ことです。
・週3日以上、という話:日本の大きな調査で、たくさん飲む男性でも、飲む日が週1〜4日の人には、亡くなるリスクの上昇がはっきりとは見られなかった、という報告があります。
・2日連続のほうがいい?:「連続」の効果を直接確かめた研究は、協会が探した範囲では見つかりませんでした。
・いちばん大切なこと:1週間に飲む合計の量です。休んだ分をほかの日に飲めば、量は減りません。
※ ここで紹介する研究は、多くの人を長く追いかけて「関連」を調べたものです。休肝日そのものが原因だと確かめたものではありません。

休肝日とは

厚生労働省の健康情報サイトは、休肝日を「肝臓を休めるために週に1日以上飲酒しない日を設けることを推奨する目的で作られた造語」と説明しています。「造語」とあるとおり、飲まない日をつくることをすすめるために作られた言葉です。

同じサイトには、こうも書かれています。習慣的に飲み続けていると、体が慣れて、少しずつ量が増えていくことがある。飲まない日をつくると、飲む量の合計が減るので、肝臓の障害を防げる可能性がある——という考え方です。

休肝日は何日あければいい?

国のガイドラインは、日数を決めていません

厚生労働省は2024年2月に「健康に配慮した飲酒に関するガイドライン」を公表しました。その中の「健康に配慮した飲酒の仕方等について」という項目に、次の一文があります。

一週間のうち、飲酒をしない日を設ける(毎日飲み続けるといった継続しての飲酒を避ける)
毎日飲酒を続けた場合、アルコール依存症の発症につながる可能性があります。一週間の純アルコール摂取量を減らすために、定期的に飲酒をしないようにするなど配慮が必要です。
— 厚生労働省「健康に配慮した飲酒に関するガイドライン」より

「週に何日」という数字は、このガイドラインには書かれていません。「休肝日」という言葉も使われていません。伝えているのは、毎日飲み続けないことと、1週間の合計の量を減らすことの2つです。

「週3日以上」という話と、日本の調査

「休肝日は週3日以上」と聞いたことがある方もいるかもしれません。これに関係するのが、日本で行われた大きな調査(多目的コホート研究)です。40〜69歳の男女 約8万9千人を対象に、1990年から2003年にかけて行われました。

結果はこうでした。

・たくさん飲む男性(純アルコールで週300g以上)のうち、週5〜7日飲む人は、月に1〜3日だけ飲む人とくらべて、亡くなるリスク(原因を問わない)が1.29倍(週300〜449g)、1.55倍(週450g以上)でした。
・同じくらいたくさん飲んでいても、飲む日が週1〜4日の人には、はっきりした上昇は見られませんでした。
・飲む量が少ない男性(週300g未満)では、飲む日数にかかわらず、上昇は見られませんでした。

純アルコール300gは、アルコール5%のビールなら、1週間に500mlの缶で約15本にあたります(純アルコール量=飲んだ量×度数×0.8)。「週3日以上の休肝日」が大切だと言えるのは、かなりたくさん飲む方について、ということになります。

厚生労働省の健康情報サイトも、多目的コホート研究の結果を紹介したうえで「複数の研究での検証が必要です」と添えています。

海外の調査でも、毎日飲む人のリスクが高かった

デンマークで50〜64歳の約5万6千人を、1993年から2011年まで追いかけた調査では、男性の場合、毎日飲む人は週2〜4日飲む人とくらべて、アルコールが原因の肝硬変になるリスクが3.65倍でした。

日本とデンマーク、2つの調査に共通しているのは、毎日、またはほぼ毎日飲む人のリスクが高かったという点です。

この2つの調査の限界

どちらも、飲み方を本人に答えてもらい、その後を長く追いかけた調査です。飲む日が少ない人は、ほかの生活習慣も違っているかもしれません。「休肝日をつくれば、リスクが下がる」と確かめたものではない、という点には注意が必要です。

「2日連続」のほうがいい?

「休肝日は2日続けたほうがよい」という話を、目にすることがあります。

協会でも調べましたが、「続けて休む」ことと「間をあけて休む」ことをくらべた研究は、探した範囲では見つかりませんでした。「1日で肝臓がどれだけ回復するか」「3日ならどうか」についても、はっきりした答えを出した研究は見つけられていません。

国のガイドラインも、連続かどうかには触れていません。いまの時点で確かに言えるのは、ガイドラインが挙げている毎日飲み続けないこと・合計の量を減らすこと、の2つです。

休肝日があれば、ほかの日は多く飲んでもいい?

ここが、いちばん見落とされやすいところです。

厚生労働省の健康情報サイトは、休肝日について「反動で飲酒する日の飲酒量が増えるかもしれません」と注意しています。休んだ分をほかの日にまとめて飲めば、1週間の合計は変わりません。

休肝日は、「飲む量の合計を減らすための方法のひとつ」と考えるのがよさそうです。

休肝日は必要?分かっていること・いないこと

ここまでを、ひと目で見られるようにまとめます。

公的な資料や研究で言われていること
・毎日飲み続けると、アルコール依存症につながる可能性がある(厚生労働省ガイドライン)
・飲まない日をつくると、飲む量の合計が減り、肝臓の障害を防げる可能性がある(厚生労働省の健康情報サイト)
・たくさん飲む男性では、飲む日が週1〜4日だと、亡くなるリスクの上昇がはっきりとは見られなかった(日本の調査)
・男性では、毎日飲む人は、週2〜4日飲む人よりも、アルコールが原因の肝硬変のリスクが高かった(デンマークの調査)

まだ、はっきりしていないこと
・何日あければ十分なのか
・続けて休むほうがよいのか
・1日の休みで、肝臓がどのくらい回復するのか

休肝日がつらいと感じたら

厚生労働省の健康情報サイトには、休肝日をつくれるかどうかが、自分の飲み方を知る手がかりになる、とも書かれています。飲まない日にイライラしたり、寝つきが悪くなったりして続けられないときは、ひとりで抱えずに、かかりつけの医師や、お住まいの自治体の相談窓口に相談してみてください。国のガイドラインも、かかりつけ医などに飲酒について相談することは有用だとしています。

休肝日を、無理なく続ける工夫

休肝日でいちばん難しいのは、「晩酌の時間そのもの」がなくなることかもしれません。グラスを冷やして、注いで、ひと息つく。その時間は、1日の区切りでもあります。

晩酌の時間は残して、アルコールだけを抜く

国のガイドラインは、お酒を飲む場面での工夫の例として、「アルコールの入っていない飲み物を選ぶ」ことを挙げています。飲まない日にも、同じ考え方が使えます。ノンアルコールビールは、その選択肢のひとつです。グラスに注げば、泡も色も、いつもの一杯と同じように楽しめます。

選ぶなら「0.00%」の表示を確かめて

休肝日に選ぶなら、アルコール分「0.00%」の表示を確かめてください。アルコール分が1%未満の飲み物は、法律上はお酒ではないため、0.5%前後のアルコールを含む「微アルコール」の製品も、ノンアルコールビールと並んで売られていることがあります。くわしくは「0.0%と0.00%の違い」をご覧ください。

飲まない日を、先に決めておく

「月曜と木曜は飲まない日」のように、先に決めておくのもひとつの方法です。国のガイドラインは、飲む日についても「あらかじめ量を決めて飲酒をする」ことをすすめています。

ノンアルコールビールを毎日飲むときに気をつけたいこと(カロリーや糖質など)は、「ノンアルコールビールは肝臓・体に悪い?」にまとめています。

まとめ:休肝日は、お酒と長く付き合うための工夫

休肝日に「何日が正解」という決まりは、いまのところありません。国のガイドラインがすすめているのは、毎日飲み続けないことと、1週間の合計の量を減らすことです。

飲む日は、お酒をゆっくり楽しむ。飲まない日は、ノンアルコールビールで同じ時間を楽しむ。そんなふうに、どちらの日も気兼ねなく過ごせるのが、いちばん長く続く形かもしれません。

【参考文献・出典】
  • 厚生労働省「健康に配慮した飲酒に関するガイドライン」(2024年2月19日公表)4(3)健康に配慮した飲酒の仕方等について
  • 厚生労働省 e-ヘルスネット(健康日本21アクション支援システム内)用語解説「休肝日」(最終更新 2021年10月25日)
  • Marugame T, Yamamoto S, Yoshimi I, Sobue T, Inoue M, Tsugane S; Japan Public Health Center-based Prospective Study Group. Patterns of alcohol drinking and all-cause mortality: results from a large-scale population-based cohort study in Japan. Am J Epidemiol. 2007;165(9):1039-1046. PMID: 17344205
  • Askgaard G, Grønbæk M, Kjær MS, Tjønneland A, Tolstrup JS. Alcohol drinking pattern and risk of alcoholic liver cirrhosis: a prospective cohort study. J Hepatol. 2015;62(5):1061-1067. PMID: 25634330

※ この記事は、公的な資料と研究の内容を紹介するものです。体調や飲み方に不安のある方は、医師にご相談ください。

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